久しぶり。
仕事を休み始めて1週間。
日々の暮らしに特に不満はない。こう言い聞かせてきた。
人格の境界線が曖昧になる事は、よくある。
これは完治に近づいているわけではない。元々、同じ人間のイマジネーションの世界で、別人格が生きているのだから、【境界線の曖昧】は当然なのだ。
鏡を見て、分かるわけでもない。
見た目は初めから同じ。
記憶もある程度、共有している。
いや。していない人格は自覚していないから「居ない」と判断するだけだ。
上司から「これは、サチさんから聞いてますか?」と小声で確認される。
「…はい」たぶんね。と思って返事をする。
ここで、忘れないで頂きたいのは「元々、健全な人間でも健忘がある」と言う事実。
これが解離の人間には「人格が違うから?」とすぐに病に結びつけられる切なさ。
なんて事ない事だろうが、仕事だろうが、普通に「あっ、忘れてた」って事はある。
何もかもが解離原因ではない。
だが、解離だからこそ記憶がない時もあるから厄介だ。
自分では、
・ただの忘れ
・人格間の共有なし は感じ取れる。
前後の記憶も何もない。
つまり「あっ。」と思うことがないのが解離だ。「覚えていない」とは感じず「知らない」と感じる。
そんな話しをした事を思い出せない。
これは何とも説明し難いが、本人には分かる感覚。
◆忘れてはいけないのか?◆
解離の人達は、自己防衛の為に不要な記憶は共有しない。それを知れば傷付くと思えば、『嫌な記憶担当者は記憶を共有しない』当然だ。
それが各人の役割なのだから。
ケンには耐えられる記憶でも、ユカには辛い物となる事もある。そうなれば、ケンはユカに記憶を渡さない。ユカを守るのだ。
他の人格も同じ事をする。
また、コミュニケートが取れていない人格の記憶はもらえない。
存在すら知らないのだから「記憶をもらっていない」と感じる事すら無い。
これが「ん?わたし今何してた?ここはどこだ?」に繋がり「他に誰かいるかも…」と思う事はある。
が!数分後には、それすら忘れる。
自分が何をしていなのか分からない恐怖はかなり強い。
だから、忘れるのだろう。
解離の症状として、忘れる。
これは受け入れるしか無い。言った言わないの論争は、めっきり苦手。根底に「覚えていないかも」と言う思いがあるから。
でもさ、誰でも【忘れ】はあるでしょ?
そんなに忘れちゃいけないかい?